おはようございます!学猿です。
前回は、分母が小さければ小さいほど、本来持っている確率に収束しやすい点について書きました。
今回はここまでの二点から派生する考え方について書きます。
今日の内容は少し難しく感じる方がいらっしゃるかもしれません。
もし読んでいて難しく感じたのであれば、「ふ~んそういうもんなんだな」、ぐらいの感じで読んで貰えればOKです。
おさらい
前回書いた、大数の法則の肝となるポイントは、「試行回数」と「本来の確率」でした
同じことを行うのであれば、行う回数が多ければ多いほど本来持っている確率に近づく。
本来持っている確率の分母が小さければ小さいほど、確率が収束しやすい。
この二点が、大数の法則のイメージを掴む肝だと僕は思っています。
このポイントがしっかり「腑に落ちた状態」になれば、おかしなオカルトじみた都市伝説に左右されにくくなるはずです。
そしてそれは、詐欺や詐欺まがいの変な投資話に騙されにくくなることに通ずるものがあります。
独立事象
ここまでの話で出てきた仮のゲーム。
コインを投げて表か裏が出るのを当てる。
サイコロを振ってどの目が出るかを当てる
ですが、これらは「独立事象」によって成り立っています。
「独立事象」
なんて小難しい言葉なんでしょうか。
簡単に言うと、
「前回の結果が今回の結果に影響を与えない」
ことです。
まだ、小難しいですね。
例を挙げて説明していきます。
頭では解っている
貴方はコインを投げるゲームに参加しています。
ここまで10回連続で表が出ています。
もうすぐ次のゲームが始まります。
次のゲームで「裏」が出る確率は何%でしょうか?
考えてみて下さい。
答えは・・・そう!勿論50%です!
これまでに何回表が続いていようが、今回のゲームにおいて、表と裏が出る確率は50%ずつです。
「これだけ表が続いているのだから、次こそは裏が出るはずだ!」
その「気持ち」は分かります。
そう思いたくなる心情も理解出来ます。
ですが、これまでの結果がどのようなものであれ、今回のゲームの結果には、前回までの結果は影響を与えません。
コイントスによるゲームの結果は、「それぞれが独立した事象」によって決まっています。
この点を理解していない人が本当に多いです。
いや、多くの人は頭では解っているのでしょうが、感情がついていかないのだと思います。
偉そうに書いている僕も、「これだけ表が続いているのだから、次こそは裏が出るはずだ!」と、思っていた時期が確かにあります。
思い込む
仮にこんなケースを考えてみましょう。
コイントスのゲームで、ここまで15回連続で表が出ています。
ここであるお客さんから提案を受けます。
「流石に次はそろそろ裏が出るだろう、何たって確率は50%なんだから」
「そうだ!あなたにBIGチャンスをあげますよ」
「次のコイントス、もしここまで全然出ていない裏が出れば、あなたに掛け金の2倍をお支払いします」
「でも、もし16回連続となる表が出た場合は、僕に掛け金の2.2倍を払ってくれませんか?」
「50%の確率が16回続くのは、2の16乗、1/65,536」
「そんなことは滅多に起きやしない」
「ここまで15回も表が続いてるんです、次に裏が出る確率はかなり高いでしょう」
「あなたにとても有利な条件ですが、ここは出会った記念に、一つこの有利なゲームをプレゼントしますよ」
・・・まぁかなり胡散臭い話です。
今こうやって文章で読んでいれば、おかしいことは明白でしょう。
常にコインの表裏が出る確率は50%。
にも関わらず、勝った時は掛け金の2倍が貰えるが、負けた時は2.2倍支払う必要がある。
以前学んだ、期待値がマイナスのゲームです。
冷静に考えればやらないはずです。
ですが、これがもっと巧妙に仕組まれていることがあります。
「何となく」得しているような気分になることが人間にはあります。
それ以上に、ここまで確率が偏っているのだから、「次こそは収束するはずだ!」と、「根拠なく」思い込んでしまうことが、人間には往々にしてあるものなんです。
今日のまとめ
今日の話は少し難しかったかもしれません。
僕が出した例も、分かりずらかったかもしれません。
皆さんに今日抑えておいて欲しいポイントは、
「独立した行為の結果は、次の行為の結果に影響を及ぼさない」
この一点です
つづく