おはようございます!学猿です。

前回は、JLPTのN3
の試験問題について調べてみました。

 

 

今回はN2の問題を確認していきます。

 

認定の目安

 

JLPTは資格試験ですので、合否があります(JLPTでは認定と言っています)
各級において目安が書かれていますので、以下引用します。

 

日常的な場面で使われる日本語の理解に加わえ、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる

読む
・幅広い話題について書かれた新聞や雑誌の記事・解説、平易な評論など、論旨が明快な文章を読んで文章の内容を理解することができる。

・新聞の見出しなどから情報の概要をつかむことができる。

・一般的な話題に関する読み物を読んで、話の流れや表現意図を理解することができる。

聞く
・日常的な場面に加えて幅広い場面で、自然に近いスピードの、まとまりのある会話やニュースを聞いて、話の流れや内容、登場人物の関係を理解したり、要旨を把握したりすることができる。

 

※本来はルビが振られていますが、このブログで省いています

読みの方では、「幅広い場面」・「記事・解説」・「評論」・「論旨」というワードが使われています。
日常会話の理解は完了し、更に高いレベルの日本語をある程度理解することが求められています。

普段の会話ではあまり使われないような、いわゆる「書き言葉」などの理解が問われてくるイメージです。

聞くの方では、「自然に近いスピード」・「まとまりのある会話やニュース」・「要旨」という言葉が使われています。
N3と比べて「やや」という言葉抜けましたので、ネイティブが話す速度に近い速さで対応出来るレベルが求められそうです。

「まとまりのある」ともありますので、文章自体も長くなってくることが予想されます。

 

漢字の読み・書き

 

まず問題文の漢字の割合が自然な日本語になっています。
変換出来る漢字は基本的に全て変換されており、一般的な日本人にも読みやすくなっています。

語彙の難易度が上がっているのは当然として、言葉として定着している熟語も出題されるようです。

例えば、例題では「あの映画の最後は(  )場面として知られている」という問いがありました。
日本語ネイティブであれば、「名場面」だとすぐ分かります。

ですが、意味を考えてみると、「有名な場面」でもあるでしょうし「良い場面」とも取れるでしょう。
もしくは「最高の場面」とも考えることは可能です。

この例題の選択肢は、「名・高・良・真」でした。

「名場面」という言葉を知らない人は、意味を推察して答えを導き出そうとするはずです。
その場合、上記したように、色々な言葉が候補に挙がってしまいます。

「知られている」≒「有名」で辿り着くことも可能でしょうが、N3にはない難易度の問題だと思いました。

あと、言い換え問題の難易度も当然上がっていました。

例題にあった、「単なる」を「ただの」に言い換えるのは、恐らく日本語ネイティブで間違う人はいないと思いますが、「ほがらか」の言い換えは少し間違えてしまう人もいるのではないでしょうか?

ちなみに選択肢は、「おとなしい・まじめ・りっぱ・あかるい」です。
「おとなしい」と「あかるい」で悩む人がいるのでは?と思うのですが、どうでしょうか。

 

文法・読解

 

文法・読解については、N4からN3は一気にレベルが上がった印象を受けました。
今回のN3からN2についても、同様に大きく難易度が上がっています。

問題文の長さ、使われている語彙、問われているポイント。
どれをとっても難しくなっています(当然ですが)

問題文に出てくる内容も、学校で使われるような場面はなくなり、大人になってからの日常生活や仕事、生き方や人生の考え方など、より深い話が出てきます。

これらの問題を難なく解けるレベルであれば、少なくとも、読むことにおいて日本語で困る場面はかなり少なくなるでしょう。

問題を読んで筆者の考えや気持ちについて答える、我々が学校で受けてきたテストと同じような問題がありますが、小学生では間違うことが多いレベルの問題がほとんどです。

大人の日本語ネイティブに出題しても、100人に出題して、全員が満点とはいかないでしょう。

「これが解ければネイティブレベル!」

とまでは言いませんが、日常生活では十分なレベルに達していることは間違いありません。

ですので、日常生活でほぼ困らない程度の読解力が求められているので、試験対策のみならず、全体的な日本語のレベルを上げておく必要があると感じました。

 

聴解

 

聴解問題については、これまでのレベル差同様、一気に難易度が上がった印象はありません。

どのような語学系の試験でも、聴解の問題は聴きなおすことが出来ないですから、極端に語彙や文章レベルが難しくなりにくい傾向があると思います。
JLPTについても、それらと同じ感じです。

難易度で上がっている点は、覚えておく必要がある項目の多さと、若干問題文が長めのものがある点でしょうか。

問題を読み上げる速度などは、厳密に言えば速くなっているのでしょうが、「聴いた瞬間に全然違う!」というほどの差は感じませんでした。

またシチュエーションについても、特別専門的な場面はなく、学校や会社、家庭内での会話など、日常生活で起こりうる場面ばかりでした。

 

感想

 

N4からN3の難易度の上がり幅が大きかったので、凄くインパクトを受けた訳ではありませんが、N3とのレベル差を大きく感じました。

このレベルの問題をスラスラ解けるレベルに達していれば、「日本語を習得した」と胸を張っていえるレベルだと思うので、日本語学習者にとって、一つの目標になる級だと思います。

対策としては、日頃からより多くの文章に触れておくことで、日本語独特のやや遠回しな意味や表現を見つけておくことが必要だと思います。
聴解に関しては、N3の問題文を苦もなく聞き取れるのであれば、特別対策が必要だとは感じませんでした。

「試験対策」以上に、「全体的な底上げ」が重要になってくる印象です。

次回は、いよいよN1の問題を確認します。

 

 

 

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