おはようございます!学猿です。
前回は、JLPTのN4の試験問題について調べてみました。
今回はN3の問題を確認していきます。
認定の目安
JLPTは資格試験ですので、合否があります(JLPTでは認定と言っています)
各級において目安が書かれていますので、以下引用します。
日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる
読む
・日常的な話題について書かれた具体的な内容を表す文章を、読んで理解することができる。・新聞の見出しなどから情報の概要をつかむことができる。
・日常的な場面で目にする難易度がやや高い文章は、言い換え表現が与えられれば、要旨を理解することができる。
聞く
・日常的な場面で、やや自然に近いスピードのまとまりのある会話を聞いて、話の具体的な内容を登場人物の関係などとあわせてほぼ理解できる。
※本来はルビが振られていますが、このブログで省いています
読みの方では、「具体的な内容」・「新聞」・「難易度がやや高い」という言葉が使われています。
当然ですが、また一段難しくなっていることがイメージ出来ます。
聞くの方では、「やや自然に近いスピード」・「登場人物の関係など」という言葉が使われています。
文章を聞いて相関関係をイメージ出来ることが求められるので、なかなかレベルが高そうです。
漢字の読み・書き
N4と比べて出題形式に変更はありませんが、問題文自体に漢字が増えています。
二つのテスト問題を並べてみると一目瞭然です。
まず「もんだい」という文字が、N3から漢字になっています。
また問題文自体に使われる言葉も、より自然な日本語になっています。
例えば、言葉の言い換えを問う問題において、
N4では「だいたい おなじいみのぶん (略) いちばん いいものを ひとつ えらんで ください」ですが、
N3では「意味が最も近いものを一つえらびなさい」となっています。
加えて、N3から「分かり書き」ではなく、普通の書き方になっています。
文法・読解
文法・読解については、N4から一気にレベルが上がった印象を受けました。
問題文自体が洗練された文章というか、日本人が普通に使うレベルになっています。
N4までは言い方が悪いかもしませんが、小学生が書くような印象を受ける文章でしたが(ほとんど平仮名で書かれているのでそういった印象が強い面もありますが)N3の問題文は、少なくても、中学生以上の日本人が書いている文章になっています。
答える内容も、動詞や形容詞といった、どちらかと言えば分かりやすい語彙ではなく、少しややこしい副詞が登場しています。
ネイティブジャパニーズなら間違えないでしょうが、「ぐらいでも」と「ぐらいなら」が選択肢に並んでいると、日本語学習者にはなかなか難問でしょう。
また、問題文の状況に一般社会で使われるような文章もあり、「学生・学校」と言ったイメージが強かったN4と比べると、より高度な読解力が求められています。
それに、問題文自体が専門的な分野について書かれているものもありました。
この辺りの文章は、「解く」以前に「読む」ことのハードルも上がっています。
あと気になった点としては、「カタカナ語が増えている」です。
N4の問題でもカタカナは使われていましたが、N3になって結構増えた印象があります。
漢字ほどではないにしても、カタカナ語も日本語学習者にとっては難関の一つだと思いますので、この点からも、高いレベルの読解力が求められています。
聴解
聴解問題でN4とN3で一番大きな違いは、「言葉以外の音」が入っている点でしょうか。
雑踏の音や、ドアが開く音など、会話以外の音が入っていました。
ネイティブが聞けば状況をイメージすることが出来るものでしょうが、日本語学習者にとっては、単純にやや聞き取りづらくなるかもしれません。
次に語彙ですが、使われている語彙レベルは当然上がってはいます。
シチュエーションが学校主体から一般社会になっているので、当然と言えば当然です。
ただ、著しく難しい言葉が頻発している訳ではないので、特別対策が必要な印象はありませんでした。
あと速度については、問題文を読み上げる速度、解答までの時間なども特別変わりないように思います。
感想
読み書きの問題については、N4との問題レベルの乖離が大きく、かなりレベルが上がっている印象を持ちました。
特に、文法・読解問題については、「一気にレベルが上がった」と感じます。
N3受験者にとっては、最も自身のレベルを上げる必要があるポイントだと思います。
反面、聴解問題についてはそれほど大きなレベル差はないように感じましたので、N4合格時点でリスニングに極端な苦手意識がなければ、専用に対策する時間を大きく割く必要はないと思いました。
全体的にはN5からN4よりも、N4からN3の方が問題の難易度の上がり幅が大きいと思うので、特に読解についてのトレーニングはかなり必要だと感じました。
次回は、N2の問題を確認します。