おはようございます!学猿です。
以前経験した、N1受験者へのレッスン内容を綴っています。
前回は、授業直前にその日レッスンで使う資料を貰ったため、事前準備がほぼ出来なかったこと。
生徒さんから頂いた資料には、問題だけが記載されており、答えが手元になかったこと(生徒さんはお持ち)
そこまでを書きました。
今回はその続きです。
救い
JLPTの対策レッスンを行うことが初めてで、しかもN1。
というか、何らかのテキスト(問題)を使ってレッスンを行うのも初めて、しかもN1。
いわゆる「授業」を行うことも初めて、しかもN1。
緊張感が増す要素は「これでもかっ!」とてんこ盛り状態でしたが、一つだけ救いがありました。
それは、「生徒であるPさんと、ある程度コミュニケーションが取れていたこと」でした。
この時点でPさんのことを詳しく知っていた訳ではありません。
事前に何回も顔を合わせ、数多く会話をし、十分にコミュニケーションが取れていた訳でもありません。
繋がりは、HiNativeでのLIVE配信だけです。
Pさんは僕のことをある程度知ってくれてはいましたが、あくまで不特定多数の方にお伝え出来る範囲内です。
僕の顔や話し方。
普段使う言葉や仕草。
そして雰囲気や海外の方への対応など。
僕のことを認識してくれていた範囲は、このぐらいだと思います。
(N1受験者のPさんにとって、大阪弁を話す元パチプロという情報は意味を持たないでしょうから除外)
でも、それだけで心理的な緊張は随分和らいでいました。
自分のことを少しは知ってくれている。
その上で僕にレッスンのリクエストをくれている。
その分責任感も増すのですが、どこか安心感というか、自信というか、ちょっとだけ落ち着ける要素が僕の心の中にありました。
最後は若干の開き直りの気持ちも芽生え、緊張の中にも少し落ち着いた気持ちを持ってレッスンをスタートしました。
漢字
まずレッスンは漢字の読みからスタート。
短い文章の中に問題となる漢字があり、その文字を読む典型的な問題。
Pさんは漢字の読みだけを答えるのではなく、問題文全てを音読し、その後で選択肢4つの中から答えを挙げていきました。
問題文が短いこともあり音読は問題なく出来ていました。
正答率も高く、まずは順調な滑り出しでした。
間違った問題については、その漢字を使った他の言葉を提示し、その漢字のイメージを持って貰えるように努めました。
このパートは日本人ならほぼ100点を取れるでしょうが、漢字圏で育っていない海外の方にとっては、かなり難易度が高いものだと感じました。
流石はN1!と、言ったところでしょうか。
いくつか例を挙げると、
「遺憾」
「閉鎖」
「憤った」
「治癒」
などです。
ちなみに僕は、「癒」という字を読むことはできますが、書けない自信があります(苦笑)
穴埋め
漢字の次は、語彙の穴埋め問題。
漢字の問題と同じく、短い問題文の中に空欄があり、その空欄にどの言葉が入るか選ぶもの。
僕らが受けてきたテストでも出題されてきた問題ですね。
ここでもPさんの問題文の音読はスムーズでしたが、正答率は漢字の時ほど高くはありませんでした。
それもそのはずで、単なる語彙選択のみならずオノマトペの問題も入っていましたから、海外の方にとってはかなりのハードルです。
でもこの高いハードルを乗り越えないと、N1合格が遠のいてしまいます。
Pさんは間違えた問題を何度も声に出して反復し、頑張って覚える努力をされていました。
ここでは正解の選択肢は勿論、他の選択肢についても、分からない語彙については説明を入れていきました。
正解ではないが選択肢に出ていた語彙が、数年後に出題されることはよくあると思います。
僕も今、英検2級対策として、同じように勉強しています。
このまま
緊張の中始まった、初めてのJLPT対策レッスンでしたが、ここまでは順調。
このまま無事に乗り切れる気がしていたのですが・・・
つづく